妊活を始めると、
- 葉酸
- たんぱく質
- 温活
- 腸活
など、さまざまな情報を目にするようになります。
その中でも、実はとても大切なのに、見落とされやすいのが鉄です。
鉄というと、
「貧血の人が必要なもの」
というイメージが強いかもしれません。
けれど、鉄は女性の身体の土台ともいえるほど重要な栄養素。
特に妊活中の女性は、とっても鉄が大切になります。
今回は、助産師の視点から、
妊活と鉄不足の関係お話ししたいと思います。
女性は“潜在的に鉄不足”になりやすい
女性のからだは、毎月の月経によって血液を失っています。
さらに現代女性は、
- ダイエット
- 食事量不足
- ストレス
- 胃腸機能低下
- 睡眠不足
などによって、
鉄不足になりやすい環境にあります。
特に妊活中は、身体にいいものを食べなきゃと意識する一方で、
- サラダ中心
- 低カロリー
- 糖質制限
になってしまう方も少なくありません。
けれど、からだは材料がなければ働くことができないのです。
鉄は“血”をつくるだけではない
鉄には、酸素を運ぶ役割があります。
つまり、全身の細胞へ、酸素とエネルギーを届けるために必要な栄養素になるわけです。
鉄が不足すると、
- 疲れやすい
- 冷えやすい
- 集中力低下
- イライラ
- めまい
- PMS
などの不調につながることもあります。
また、妊活中では、
- 子宮
- 卵巣
- ホルモン分泌
- 子宮内膜
にも深く関わっています。
「なんとなくいつも疲れている」
そんな背景に、鉄不足が隠れていることも少なくありません。
鉄と“着床”の関係
妊娠は、受精しただけでは成立しません。
受精卵が、子宮内膜にしっかり根を下ろしてはじめて、妊娠が成立します。
そのためには、
- 子宮内膜の状態
- 血流
- 酸素供給
がとても大切。
鉄は、血液を通して酸素を運ぶ役割を持っているため、子宮内膜の環境づくりにも関わっているのです。
また妊娠初期には、胎盤形成も急速に進んでいきます。
つまり鉄は着床して終わりではなく、
その後の妊娠継続や、赤ちゃんを育てる環境づくりにも必要になります。
妊娠すると、さらに鉄が必要になる
妊娠すると、お母さんのからだは大きく変化します。
特に増えるのが血液量。
赤ちゃんへ酸素や栄養を届けるために、妊娠中はたくさんの血液が必要になります。
さらに、
- 胎盤形成
- 赤ちゃんの成長
- 出産時の出血
にも鉄は使われます。
つまり妊娠前から、鉄の貯金をしておくことが大切なのです。
産後の女性にとっても鉄は大切
鉄不足は、妊活中や妊娠中だけの問題ではありません。
出産では、多くの女性が出血を経験します。
さらに産後は、
- 授乳
- 睡眠不足
- 慣れない育児
- ホルモン変化
によって、心もからだも大きく消耗する時期です。
そして母乳は、お母さんの血液から作られています。
妊娠・出産でたくさんの血液を使ったからだは、
産後もさらに、赤ちゃんを育てるために血液を必要としています。
その中で鉄不足が続くと、
- 強い疲労感
- 気力低下
- めまい
- 不安感
- 涙もろさ
- 抑うつ状態
につながることもあります。
産後うつの背景に、栄養不足や鉄不足が関係しているケースがあることもわかっています。
もちろん、産後うつは単純に栄養だけで説明できるものではありません。
けれど、身体の土台を整えることは、お母さん自身を守ることにもつながります。
赤ちゃんを育てるためにも、まずはお母さんのからだが満たされていること。
それも、大切な産後ケアなのだと私は助産師の経験から実感しています。
隠れ貧血に気づいていない女性も多い
健康診断で、「ヘモグロビンは正常です」
と言われていても、実は鉄不足が進んでいることがあります。
そのときに参考になるのが、フェリチンという指標。
フェリチンは、
からだにどれくらい鉄を蓄えているかを見るものです。
まだ貧血になっていなくても、
- 朝起きられない
- 氷を食べたくなる
- 抜け毛が増えた
- メンタルが不安定
- 甘いものがやめられない
などの症状がある場合、鉄不足が関係していることもあります。
気になる場合は、
医療機関で相談してみるのもよいでしょう。
※フェリチンは、一般採血項目ではありません
鉄だけ摂ればいいわけではない
ここで大切なのは、
「鉄剤や鉄サプリだけ飲めば安心」
ではない、ということです。
鉄は、
- たんぱく質
- ビタミンC
- ビタミンB群
などと一緒に働いています。
また胃腸が弱っていると、
うまく吸収できないこともあります。
妊活では、ひとつの栄養素ではなく、からだ全体のバランスを整えていくことが大切なのです。
鉄を多く含む食材
では実際に、どんな食品を摂ったらいいのでしょう?
鉄には、
- ヘム鉄
- 非ヘム鉄
があります。
吸収率が高いのは、動物性食品に含まれるヘム鉄。
例えば、
- レバー
- 赤身肉
- かつお
- まぐろ
- あさり
などです。
また、
- 小松菜
- ほうれん草
- 納豆
などにも鉄は含まれています。
ビタミンCと一緒に摂ることで、吸収率アップにもつながります。
妊活は、命を育てる準備
妊活というと、どうしても「妊娠すること」がゴールになりがちです。
けれど本当は、その前に大切なことがあります。
それは
血液をつくり、
酸素を運び、
子宮を温め、
ホルモンを働かせる。
女性のからだは、静かに、毎日、その準備をしています。
だからこそ
からだに必要なものを届けてあげる
そんな視点をもって、この記事をきっかけに、今日から妊活していただけたらうれしく思います。



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